ヨーロッパの化学物質の規制であるREACH (Registration, Evaluation and Authorisation of Chemicalsの略)は、 動物実験は「最後の手段」としてのみ実施するという決意に加え、可能な限り動物の使用を削減及び代替するために試験要件をこまめに見直すという法的義務を含む。
2012年の4月に、HSIは、何百万匹もの動物を救うと同時に化学物質の監視体制のレベルを維持できる、REACHの試験要件の見直しに関する包括的な提案を欧州委員会に提出した。そして、2年半以上の期間に渡る働きかけの結果、EUは、HSIにより提案された改正を化学物質の規制に組み込むべく、ついに動いた。
我々が今まで達成した事項と、これから2020年まで、これらの改正が動物にどのような影響を及ぼすかについて、下記の表にまとめた。
動物を用いた試験 |
改正内容 |
救える動物の数 |
急性経皮毒性試験 |
ほぼ完全に代替 |
ウサギまたはラット15,000匹 1 |
生殖毒性試験 |
使用動物を削減できる代替法 |
ラット2,400,000 匹2 |
皮膚刺激性試験 |
ほぼ完全に代替 |
ウサギ8,250匹3 |
眼刺激性試験 |
ほぼ完全に代替 |
ウサギ13,500 匹4 |
皮膚アレルギー |
完全に代替できる可能性あり |
マウス 218,750 匹5 |
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2,665,500匹 の命を救うことができる |
我々はここで歩みを止めない。HSIは、EUに対してさらに命を救えるような改正を採択し、時代遅れの動物実験を最先端の代替法に代えるように積極的に働きかけている。我々の重要な取り組みに、ぜひご支援をお願いします。
12018年までに登録される25,000の化学物質の3%において、20匹のラットまたはウサギを使った急性経皮毒性試験が必要とされる場合。
22018年までに登録される25,000の化学物質の8%において、二世代生殖毒性試験ではなく、延長一世代生殖毒性試験が必要とされ、結果、化学物質一つにつき1200匹のラットの命が救える場合。
32018年までに登録される25,000の化学物質の11%において、ウサギ3羽を用いた皮膚刺激性試験が必要とされる場合。
42018年までに登録される25,000の化学物質の18%において、ウサギ3羽を用いた眼刺激性試験が必要とされる場合。
52018年までに登録される25,000の化学物質の35%において、マウス25匹を用いた皮膚感作性試験が必要とされる場合。