アメリカの農薬規制当局が、動物実験の要件を削減すべく動く

HSUS とHSIは、何千匹もの動物を救う可能性がある決断を歓迎

ヒューメイン・ソサイエティー・インターナショナル


  • Olga Myrontseva/istock

アメリカの環境保護庁は、省庁が義務付ける農薬の試験において、眼刺激や皮膚刺激などの「急性」毒性や「致死量」に関する試験で、動物の使用を大幅に削減する計画を公表した。この新計画は、より効率的で、予測性が高く、費用対効果が良く、かつ人道的な新たな技術への移行の一環であり、環境保護庁と全米人道協会(The Humane Society of the United States, HSUS)、ヒューメイン・ソサイエティー・インターナショナル(Humane Society International, HSI)や、その他の関係者との何年間にも及ぶ科学的な対話の後公表された。

HSUS及びHSIのレギュラトリー・トキシコロジー、リスク評価及び代替法のディレクターであるキャサリン・ウィレット博士は、次のように述べている。「ラットを用いた致死毒性試験やウサギを用いた眼刺激性試験や皮膚刺激性試験が初めて考え出された1920年代や1940年代から、科学は著しく進歩しています。時代遅れで動物実験の中でも特に残酷なものを置き替えるためにリーダーシップを握って取り組んだ環境保護庁を称賛し、ブラジル、カナダ、インド、日本やその他の主要な市場がアメリカを手本とすることを期待します。」

環境保護庁の公表は、ウサギを使用した眼刺激性試験と皮膚刺激性試験、モルモットまたはマウスを用いた皮膚アレルギー試験、げっ歯類またはウサギを用いた経口投与、吸入及び経皮の致死毒性試験の、6種類の短期の動物実験に関するものである。この試験の「6つパック」と言われているものが、毎年市場に導入される500以上もの新規の農薬の調合と、農薬の新規の「作用物質」(農薬に毒性効果を付与する原料)全ての危険有害性のラべリングのために、環境保護庁により従来義務付けられていた。

環境保護庁の、試験の重複を防止する提案は、何千匹もの動物を苦痛や死から救う可能性が秘められているが、企業が試験免除の機会を十分に活用し、他国の農薬の規制当局がこれを受け入れなければその効果は十分に発揮されない。主要な国際市場が一箇所でもこの重複の多い動物実験の6つパックを要求すれば、動物にとっての収穫は大幅に減ってしまう。

ヒューメイン・ソサイエティー・インターナショナルは、重複する動物実験の要件の廃止と既存の評価済みの動物実験代替法の受け入れと活用の手続きの最適化を求めて、ブラジル、カナダ、インドや日本等、世界各国の規制当局に対して科学的側面から働きかけを実施している。

問い合わせ 
アメリカ: Raul Arce-Contreras, rcontreras@humanesociety.org, +1 301.721.6440
カナダ: Christopher Pare, cpare@hsi.org, 514 395-2914

 

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