中国の研究所とヒューメイン・ソサイエティー・インターナショナルが動物を用いない試験で製造された化粧品を広めるために協働体制を築く

中国で開催された6回目の動物実験代替法研修会中に広州市華代生物科技有限公司(CHN-ALT)と合意書に署名

ヒューメイン・ソサイエティー・インターナショナル


  • HSI と広州市華代生物科技有限公司が了解覚書に署名する際の様子。HSI

ワシントンDC—動物福祉の世界的リーダーであるヒューメイン・ソサイエティー・インターナショナル(Humane Society International, HSI)は、中国において動物を用いない現代的な技術を普及させることを目的に、化粧品の安全性試験に焦点を当てた教育プロジェクトにおいて協働するために、広州市華代生物科技有限公司(Guangzhou CHN-ALT Biotech Co. Ltd.)との了解覚書に署名した。了解覚書への署名は、広州において619日から22日に開催された、第6回目の中国開催になる代替法ワークショップ及び研修会において行われた。このイベントには、中国の化粧品企業、規制当局、民間や教育機関の研究所やその他の関係者200人以上が集まった。

ワークショップは、HSI協賛のもと広東検査検疫技術センターと広東省実験動物学会により共催され、22件の専門的な発表と、眼刺激、皮膚刺激及び皮膚感作の試験の動物を使わない代替法として国際的に認められている最新のインビトロ(細胞ベース)の技術の実践研修が行われた。2013年以降、毎年行われるこのイベントで、1000人以上の中国の科学者が実践訓練を受けている。

また、このイベントは、現存する評価済み(バリデート済み)の動物を用いない試験アプローチの受け入れ、代替法における次世代アプローチとして有害転帰経路(AOP)を確立するための現在の研究や、規制政策や調査研究の将来の展望等について、中国、欧州連合及び日本の三者間における初めての徹底した情報交換の場であった。世界の専門家により、中国の機関や企業は、国際的に認められている動物実験の代替法の開発や受け入れの取り組みについて、積極的に参画するように促された。

発表者には、HSIの中国の規制アドバイザー、欧州代替法検証センター、日本動物実験代替法評価センター、インビトロ・サイエンス研究所、ジョンズホプキンス大学、上海生命科学研究院栄養科学研究所、上海Episkin Biotechnology社、曁南大学、江南大学、ロレアル(中国)格付投資情報センター、エスティローダーアジア太平洋研究開発センター等からの専門家が含まれた。

HSICHN-ALT間の了解覚書には下記の点が盛り込まれている。

·         トレーニング用の動画や実践を含めた研修会の共同企画と共催

·         中国の当局や科学者のアクセシビリティーを向上させるための、OECDのテストガイドラインやAOP関連のガイダンスの翻訳

·         中国における動物を用いない試験やAOP関連の資料の拠点となる、中国語のウェブサイトwww.vitrotox.com の共同運営

HSIの研究毒性学部門のディレクターのトロイ・サイドルは次のように述べている。「中国の、化粧品、化学物質及びその他規制されている製品の安全性試験における、動物実験よりも性能が良い、動物を用いない試験ツールに関する継続的な教育や研修のプログラムを支援するために、CHN-ALTと画期的なパートナーシップを結べたことを大変嬉しく思います。」

CHN-ALTCheng Shujun教授は次のように述べている。「近年、世界各国で起こっている安全性試験の規制改正により、動物を用いない試験ツールの需要が増加しています。中国国内において国際的に評価された代替法の開発と認知の促進のためのプラットフォームを共同で構築するために、HSIと協働できることを大変嬉しく思っています。学際的なコラボレーションと中国における21世紀毒性学に基づいた試験体系への移行を期待しています。」

以上

問い合わせ:

イギリス: Claire Mansfield, cmansfield@hsi.org,

中国: Tina Qu, tqu@hsi.org

 

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