ヒューメイン・ソサイエティー・インターナショナルは、市場導入前の化粧品の動物実験の要件にとってかわる簡略化された新たな制度を求めて呼びかけ

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中国国家食品薬品監督管理総局(CFDA)は、上海を通して輸入される一般化粧品について、規制と管理方法を調整することを公表した(リンクは中国語のみ)。これは、長年にわたって続く、輸入化粧品すべてに対する動物実験の要件を廃止する機会となりうる。この措置は一時的なものであり、201751日から20181221日までの期間において施行され、その間、製品を簡略化された手続きのもと輸入することができるようになる。

中国国家食品薬品監督管理総局が現時点までに公表した手続きにおいては、輸入された化粧品に関する動物実験の要件について明確な言及はないが、中国国家食品薬品監督管理総局は、20146月に、国内で製造された一般化粧品の手続きの簡略化に至ったときと似たような動きを見せており、このときの流れは要件となっていた動物実験の廃止につながった。

#BeCrueltyFreeキャンペーンのディレクターのクレア・マンスフィールドは次のように述べている。「中国国家食品薬品監督管理総局のこの変更は、世界各国の化粧品市場と規制の足並みをさらに揃える動きを反映するもので、中国にとって、化粧品の動物実験の要件をさらに緩和する大きなチャンスです。国内で製造される一般化粧品について2014年に実施されたように、この新たな手続きにおいて市場導入前の動物実験を免除し、この改正を上海浦東以外にも拡大させるよう、中国政府を促したいと思っています。」

2015年に、中国政府は、9,317件の新たな一般化粧品の輸入を承認した。各製品に対して、政府の規制に規定された通り、各試験で最低3羽のウサギを用いる形で、3種類の動物実験が実施されたと想定すると、この年だけで、中国において、これらの化粧品の輸入のために、市場導入前に83,853匹もの動物が使われたと推定される。この推定頭数には、国内で製造された特殊用途化粧品と輸入された特殊用途化粧品の試験において使われた動物の数は含まれない。

ヒューメイン・ソサイエティー・インターナショナル(Humane Society International, HSI)とそのパートナーらは、中国において、評価済みの動物を用いない技術に基づいた国際的に認知されている安全性試験に関する対話の活性化やこれらの方法に対する信頼を深めてもらうための、教材の開発、実践訓練の研修会や、専門的な科学の会議を支援したり、助成したり、過去多くの取り組みを実施した実績を持つ。

問い合わせ:

HSI (日本): 山﨑佐季子, syamazaki@hsi.org (日本語・英語対応可)
     東さちこ, sazuma@hsi.org,070-5569-7689,  (日本語対応のみ)

HSI (本部) Raúl Arce-Contreras, rcontreras@humanesociety.org, +1 240 620 3263 (英語対応のみ)

ヒューメイン・ソサイエティー・インターナショナル(Humane Society International, HSI) 及びそのパートナー団体は、世界最大級の動物保護団体です。HSI 25年以上にわたり、科学、アドボカシ―、教育及び実践プログラムを通して全ての動物の保護に取り組んできました。「世界中の動物に畏敬の念を示し、動物虐待に立ち向かう」ウェブサイト― hsi.org/

 

カナダが南北アメリカ大陸で、Cruelty-Freeな(動物実験しない)美しさのスタンダードをリードする構え

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本日、「動物実験しない化粧品法(法案 S-214, Cruelty Free Cosmetics Act) 」が、圧倒的な支持のもと、元老院の第二読会を通過し、法案を提出したキャロリン・スチュワート・オルセン元老院議員と、法案の提案者であったヒューメイン・ソサイエティー・インターナショナルカナダ(Humane Society International/Canada, HSI)とAnimal Alliance of Canadaの二団体により、この歴史的出来事が歓迎された。法案は、今後さらなる審議のために元老院の社会問題・科学技術委員会に送られる。

スチュワート・オルセン議員は次のように述べている。「これは、カナダにおける化粧品の動物実験を終わらせるための重要なステップで、これにより、目標に一歩近づくことができました。この重要な法案を可決させるために、同僚である元老院の議員の皆様と共に取り組むことを楽しみにしています。」

法案S-214の第二読会は、法案の提出からちょうど一年経過したタイミングで行われた。この法案が可決されれば、カナダにおける化粧品の動物実験の実施と他国で新たに動物実験された化粧品とその原料の販売が禁止される。

HSIカナダのキャンペーン・マネジャーのアヴィヴァ・ヴェッタ-は次のように述べている。「カナダを#BeCrueltyFree(動物実験しない)にする過程において、今日という日は重要な一日となりました。欧州連合(EU)、イスラエル、インド、ニュージーランド、台湾を含む、35の主要な市場がすでに動物実験の実施と販売を禁止する法令を実現しており、カナダも仲間入りする時期が来たと思います。」

Animal Alliance of Canadaのディレクターのリズ・ホワイトは次の通り付け加えた。「これは、カナダにおいて化粧品の動物実験を終わらせることに向けたとても喜ばしい一歩です。この時代において、化粧品のために動物を犠牲にすべきではありません。新規化粧品の安全性は、既存の原料を使用したり、動物を用いない試験方法で担保できますし、多くのカナダ人は残酷な化粧品の動物実験に終止符を打つことを支持しています。」

 

問い合わせ:

Christopher Paré – 事務局: 514 395-2914 /携帯: 438 402-0643

e-メール: cpare@hsi.org

 

#BeCrueltyFree は、世界中で化粧品の動物実験と動物実験された化粧品の商取引を終わらせるための歴史上最大のキャンペーンで、オーストラリア、ブラジルを含む中南米、カナダ、中国、欧州連合、インド、日本、韓国、ニュージーランド、台湾及びアメリカで展開しています。#BeCrueltyFree カナダは、ヒューメイン・ソサイエティー・インターナショナルとAnimal Alliance of Canadaのパートナーシップのもと展開されています。(ウェブページ — becrueltyfree.ca)。「動物実験しない化粧品法(Cruelty-Free Cosmetics Act)」は、2年間にわたる#BeCrueltyFreeキャンペーンの後、キャロリン・スチュワート・オルセン議員により1210日に提出されました。

 

 

ヒューメイン・ソサイエティー・インターナショナル/インドとPeople for Animalsがドレイズ刺激性試験の廃止を歓迎

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  • 試験により動物が苦痛を被ることはもうありません。Fekete Tibor/istock

ニューデリーインド保健家族福祉省がウサギを用いたドレイズ刺激性試験を禁止し、ヒューメイン・ソサイエティー・インターナショナル/インド(Humane Society International/India, HSIインド)が、残酷で時代遅れな動物実験を終わらせるキャンペーンにおいて、大きな勝利を祝った。2016114日付けの通知は、経済協力開発機構(OECD)に評価(バリデート)された動物を用いない代替法の使用を義務付けた。保健省の決断は、HSIインド、People for Animalsやその他の関係者が、国家医薬品基準管理機構(Central Drug Standard Control Organization)及びインドの医薬品規制機関(Drug Controller General)に対して、国際的に認められている代替法に関して情報を提供した後に下された。

動物実験を終わらせるキャンペーンをぜひご支援ください

ドレイズ試験は、70年以上前に開発された、ウサギを用いて眼と皮膚への刺激性を測定する試験である。試験では、ウサギは、片方の目に化学物質を点眼されたり、毛を剃った背中の皮膚に化学物質を塗布される間、拘束具で身動きが取れないようにされる。ウサギは最大二週間、鎮痛の処理をしないまま、腫れ、潰瘍、出血や失明を含む、化学物質による損傷について観察される。その明らかな残酷さに加え、ドレイズ試験は信頼性が乏しく、ヒトに対する影響を適切に評価できるとは限らない。再構築されたヒトの皮膚や角膜の組織を含む、評価され、国際的に認められた様々な動物を用いない代替法は、何年も前から存在し、ものによっては2004年から存在するものもある。連続的試験戦略の一部として用いられるこれらの21世紀の技術は、より再現性があり、ヒトの反応をより適切に捉えることができる方法で、眼と皮膚のドレイズ試験の完全な代替を実現するものである。

HSIインドのディレクター代理のAlokparna Senguptaは次のように述べている。 「これは、保健省による歴史的な決断です。人類史上ウサギに対して最も残酷で悪名高い試験から、何千匹ものウサギが救われることになります。インドにおいて2014年に可決された化粧品の動物実験の禁止に加えて、今回の決断は、インドがさらに人道的で最先端の21世紀科学に移行するための勢いとなります。保健省が素早く規則の改正を通知してくれたことを賞賛し、企業がこの通知とそれに込められた理念を順守してくれることを期待しています。」

この動きのきっかけは、女性子ども開発大臣のManeka Sanjay Gandhi氏が当該省庁の大臣にこの習慣について文書で問い合わせた後に、HSIインドやPETAインドが働きかけたことであった。2011年より、インドはOECDのデータ相互受理(Mutual Acceptance of Data, MAD)の全面的な支援者である。このため、インドのGLPの研究所において収集されたデータはOECD加盟国全てにおいて受け入れられなければならず、また逆の場合も同様である。OECDは、データの相互受理の順守は、不必要な試験の重複を回避し、15000万ユーロ以上のコストの削減と多数の動物の命を救うことにつながるとしている。

問い合わせ: Navamita Mukherjee, e-メール: nmukherjee@hsi.org, 携帯電話: 91-9985472760

 

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  • 日本における意識調査により、化粧品の動物実験に関する現状などの情報を提供された後、この残酷な行為を禁止することを支持する消費者が約7割と過半数を占めることが明らかになった。Stock image.

日本における意識調査により、化粧品の動物実験に関する現状などの情報を提供された後、この残酷な行為を禁止することを支持する消費者が約7割と過半数を占めることが明らかになった。意識調査は、ヒューメイン・ソサイエティー・インターナショナル(Humane Society International, HSI)、NPO法人動物実験の廃止を求める会(JAVA)、NPO法人アニマルライツセンター、PEACEPut an End to Animal Cruelty and Exploitation)の協力により、実施主体であるラッシュジャパンが、民間調査会社を通して実施したものである。

化粧品の動物実験に対して日本の消費者が否定的な態度をとっていることは、世界的に起きている化粧品の動物実験離れの動きと同じ方向性を示している。#BeCrueltyFree思いやりのある美しさキャンペーンは、ブラジル、カナダ、アメリカ、オーストラリアや韓国など、世界の鍵となる市場のいくつかにおいて同じような意識調査を実施しており、これらの調査においては、世界中の消費者がこの化粧品業界の醜い習慣を終わらせたいと思っていることが一貫して示されている。 

日本の消費者の意識調査結果:

·         70.%が「化粧品のために動物を犠牲にしたくない」と回答した

·         51%が化粧品の動物実験を法的に禁止することを支持しており、動物実験を実施する目的やその手順、世界各国の規制要件や動物実験がヒトの健康被害を適切に予測できなかったケースなど、化粧品の動物実験に関連する追加情報を提供すると、禁止を支持する消費者の割合は70%に増加した

  • 71%が、「化粧品メーカーは、動物実験をなくすために具体的な行動をとるべきだ」と回答した
  • 73%が、「化粧品メーカーに原材料を提供する企業でも、動物実験をなくすために努力するべきだ」と回答した

HSIの日本コミュニケーション・コンサルタントの山﨑佐季子は次のように述べている。「信頼性をもってヒトへの安全性を予測できる最新の動物を用いない試験方法や既存の原料などの選択肢がある中、日本の消費者の過半数が、化粧品のために動物を犠牲にしたくないと思っているということは、素晴らしいことです。このような消費者の考えを反映し、日本の政策立案者や当局にも法的な禁止に向けて取り組んでもらえればと期待しています。」

HSI#BeCrueltyFreeキャンペーンディレクターのクレア・マンスフィールドは次のように述べている。「現在、世界の17億人が化粧品の動物実験が禁止されている化粧品市場の消費者であり、化粧品の動物実験を終わらせようという世界的な動きは日に日に拡大しています。意識調査の結果は、化粧品の動物実験を廃止し、年々増えているすでに化粧品の動物実験を禁止している国々の仲間入りを果たすことに対して、日本においても消費者の支持があることを示しています。化粧品の動物実験を法的に禁止できれば、動物、消費者、そして科学も恩恵を受けることができます。これが日本の消費者が望むことだと感じます。」

#BeCrueltyFree思いやりのある美しさの日本キャンペーンは、世界中で化粧品の動物実験を終わらせるための最大規模のキャンペーンの一部である。化粧品の動物実験の禁止を支持する消費者は、こちらから、Be Cruelty-Freeの誓約に署名することによりアクションを起こすことができる。

また、ラッシュジャパンの、意識調査の結果概要に関する動画はこちらから。

注釈: 意識調査は全国規模で、株式会社インテージにより20166月に実施され、サンプル数は3287名、信頼水準は95%であった(誤差の許容範囲+-1.71%)

業界の問題提起が裏目に さきがけとなったEUの禁止守られる

ヒューメイン・ソサイエティー・インターナショナル


  • Viorel Simaj/istock

欧州司法裁判所は、本日、欧州連合(EU)における化粧品の安全性の担保のために、20133月以降EU域外において実施された動物実験の結果に頼ることを明確に禁止する判決をもって、EU2013年の化粧品の動物実験の実施と動物実験された化粧品の商取引の禁止を強固なものとした。ヒューメイン・ソサイエティー・インターナショナル(Humane Society International, HSI)は、この判決を動物福祉の代弁者の勝利と位置付け歓迎している。欧州化粧品原料連合会は、EU域外の国の規制のもと実施された新たな動物実験を、EUの法令のもと化粧品の安全性を担保するために使えるという、禁止のより狭い解釈を裁判所に求めて、申し立てを行った。このような狭い解釈は、EUの禁止を効力のないものにしてしまっていただろう。

HSI#BeCrueltyFreeキャンペーンのディレクターのクレア・マンスフィールドは次のように述べている。「業界による、EUの化粧品の動物実験と動物実験された化粧品の販売に関する規制を回避しようとする試みが、皮肉にも失敗したことを嬉しく思います。裁判所の判決は、動物に対して残酷な化粧品に終止符を打ちたいという消費者の要望にきっちりと応えるもので、EUの先駆けとなる化粧品の動物実験と動物実験された化粧品の商取引の禁止をすべての美容製品の市場に拡大させるためのHSIの国際的な#BeCrueltyFree思いやりのある美しさキャンペーンの取り組みに拍車をかけるものであります。機運の高まりとともに、化粧品企業が利益を上げるためには動物実験を手放さなければならない世界が数年で実現するかもしれません。」

ヒューメイン・ソサイエティー・インターナショナルは、2013年に新たに動物実験された化粧品とその原料の販売禁止を施行するようにEUに働きかけを行った際の鍵となる関係者で、インド、ニュージーランドや韓国において似たような禁止を実現する際も、各国の#BeCrueltyFreeキャンペーンのパートナーと共に働きかけを牽引してきた。#BeCrueltyFreeキャンペーンのチームは、現在アメリカ、カナダ、オーストラリア、ブラジル、台湾やその他の国において、引き続き化粧品の動物実験を完全に禁止できるような規制の実現に向けて活動を展開している。

問い合わせ:

·         ヨーロッパ: Susie Wilks, swilks@hsi.org, +44 7900 953507

·         北米: Raúl Arce-Contreras, rcontreras@humanesociety.org, +1 301-721-6440

 

 

ヒューメイン・ソサイエティー・インターナショナルは中国食品薬品検定研究院の皮膚試験の代替法に関する提案を歓迎

ヒューメイン・ソサイエティー・インターナショナル


  • Adam Gault/Getty Images

ヒューメイン・ソサイエティー・インターナショナル(Humane Society International, HSI)は、中国当局による、ほぼすべてを動物実験に頼った化粧品の試験体制からの移行に向けた重要な一歩を歓迎する。中国食品薬品検定研究院は、鍵となる国際的な取引のパートナーと規制の枠組みの足並みを揃え、将来の化粧品の貿易を支える技術を提供し、動物を用いない試験方法の開発と評価のための中国のプログラムやインフラのさらなる発展の一環として、化粧品の原料についてのインビトロ試験に関する新基準の提案を公表した。

HSIの研究毒性学部門のディレクターのトロイ・サイドルは次のように述べている。「化粧品の安全性試験について、中国の化粧品の当局が、国際的に認められているインビトロ試験を認め始めていることに嬉しく思います。この方向性で引き続き取り組みが続くことは、動物福祉という観点のみならず、消費者の安全、科学技術の発展、さらにはグローバルな貿易という観点からもプラスになります。」

動物実験を終わらせるために、キャンペーンへのご支援をお願いします。.

「インビトロ皮膚腐食性試験: 経皮電気抵抗試験 (TER) 」は、1988年、欧州動物実験代替法評価センターにより科学的に妥当であると宣言され、2004年に経済協力開発機構(OECD)により国際的に足並みを揃えることを目的としたテストガイドラインとして採択された。この試験については、これまでに、中国食品薬品検定研究院、北京薬品生物製品検定所、浙江省食品薬品監督管理局及び、広東省疾病対策予防センターによる中国の研究所のための最適化が行われた。   

中国は現在すべての輸入化粧品、特殊用途化粧品及びすべての化粧品の原料について、国際的に認められた動物を使わない試験方法で収集した既存のデータがある部分についても、眼と皮膚試験では市場導入前に動物実験を要件としている。HSI は、中国における市場導入前の試験要件を満たすためだけに2015年だけで最大375,000の動物が使われたと推測している。眼刺激、皮膚刺激、皮膚アレルギー、光毒性やその他の化粧品の関連するエンドポイントについて、現在OECDに認められている動物を用いない試験を受け入れることにより、この数を大幅に削減することができる。

HSI は、中国の当局、企業やその他の関係者に対して、国レベルの会議、教育目的のセミナーやOECDに認められた代替法に関する研究所内のトレーニングなどの支援を目的に、150,000ドル以上の資金を提供している。HSIは、化粧品、化学物質やその他規制の対象となっている製品の安全性試験において、より優れている動物を用いないツールを活用するための、中国における教育とトレーニングのプログラムを支援するために、最近広州市華代生物科技有限公司(CHN-ALT)と協力体制のための合意書を締結した。

問い合わせ:

中国: Tina Qu, tqu@hsi.org
北米: Raul Arce-Contreras, rcontreras@humanesociety.org 

中国で開催された6回目の動物実験代替法研修会中に広州市華代生物科技有限公司(CHN-ALT)と合意書に署名

ヒューメイン・ソサイエティー・インターナショナル


  • HSI と広州市華代生物科技有限公司が了解覚書に署名する際の様子。HSI

ワシントンDC—動物福祉の世界的リーダーであるヒューメイン・ソサイエティー・インターナショナル(Humane Society International, HSI)は、中国において動物を用いない現代的な技術を普及させることを目的に、化粧品の安全性試験に焦点を当てた教育プロジェクトにおいて協働するために、広州市華代生物科技有限公司(Guangzhou CHN-ALT Biotech Co. Ltd.)との了解覚書に署名した。了解覚書への署名は、広州において619日から22日に開催された、第6回目の中国開催になる代替法ワークショップ及び研修会において行われた。このイベントには、中国の化粧品企業、規制当局、民間や教育機関の研究所やその他の関係者200人以上が集まった。

ワークショップは、HSI協賛のもと広東検査検疫技術センターと広東省実験動物学会により共催され、22件の専門的な発表と、眼刺激、皮膚刺激及び皮膚感作の試験の動物を使わない代替法として国際的に認められている最新のインビトロ(細胞ベース)の技術の実践研修が行われた。2013年以降、毎年行われるこのイベントで、1000人以上の中国の科学者が実践訓練を受けている。

また、このイベントは、現存する評価済み(バリデート済み)の動物を用いない試験アプローチの受け入れ、代替法における次世代アプローチとして有害転帰経路(AOP)を確立するための現在の研究や、規制政策や調査研究の将来の展望等について、中国、欧州連合及び日本の三者間における初めての徹底した情報交換の場であった。世界の専門家により、中国の機関や企業は、国際的に認められている動物実験の代替法の開発や受け入れの取り組みについて、積極的に参画するように促された。

発表者には、HSIの中国の規制アドバイザー、欧州代替法検証センター、日本動物実験代替法評価センター、インビトロ・サイエンス研究所、ジョンズホプキンス大学、上海生命科学研究院栄養科学研究所、上海Episkin Biotechnology社、曁南大学、江南大学、ロレアル(中国)格付投資情報センター、エスティローダーアジア太平洋研究開発センター等からの専門家が含まれた。

HSICHN-ALT間の了解覚書には下記の点が盛り込まれている。

·         トレーニング用の動画や実践を含めた研修会の共同企画と共催

·         中国の当局や科学者のアクセシビリティーを向上させるための、OECDのテストガイドラインやAOP関連のガイダンスの翻訳

·         中国における動物を用いない試験やAOP関連の資料の拠点となる、中国語のウェブサイトwww.vitrotox.com の共同運営

HSIの研究毒性学部門のディレクターのトロイ・サイドルは次のように述べている。「中国の、化粧品、化学物質及びその他規制されている製品の安全性試験における、動物実験よりも性能が良い、動物を用いない試験ツールに関する継続的な教育や研修のプログラムを支援するために、CHN-ALTと画期的なパートナーシップを結べたことを大変嬉しく思います。」

CHN-ALTCheng Shujun教授は次のように述べている。「近年、世界各国で起こっている安全性試験の規制改正により、動物を用いない試験ツールの需要が増加しています。中国国内において国際的に評価された代替法の開発と認知の促進のためのプラットフォームを共同で構築するために、HSIと協働できることを大変嬉しく思っています。学際的なコラボレーションと中国における21世紀毒性学に基づいた試験体系への移行を期待しています。」

以上

問い合わせ:

イギリス: Claire Mansfield, cmansfield@hsi.org,

中国: Tina Qu, tqu@hsi.org

 

ヒューメイン・ソサイエティー・インターナショナル


  • この法案に含まれている新たな文言は、化学物質、農薬、殺生物剤、化粧品やその他の有害物質の安全性の担保のためのリスク評価における動物実験離れを加速化させることは確実である。 写真はiStockphotoより

今日は大変光栄なことに、Humane Society Legislative Fundの同僚Sara Amundsonとともに、有害物質規制法(TSCA)改正法の大統領の署名式に参加させていただきました。今日、法律の成立のための最終手続きがとられたことにより、化学物質の利用を規制してきた40年前に成立した連邦法がアップグレードされ、広域の環境や健康保護関連の法令としては初めて、動物実験を最小限に抑え、代替法や、代替法を用いた戦略の開発と活用を優先するような議会の明確な判断が反映されました。

法案の動物実験に関する箇所は、上院議員であるCory Booker議員(民主党、ニュージャージー州)、David Vitter議員(共和党、ルイジアナ州)、Tom Udall議員(民主党、ニューメキシコ州)、Jeff Merkley議員(民主党、オレゴン州)、Sheldon Whitehouse議員(民主党、ロードアイランド州)、上院環境・公共事業委員会委員長のJim Inhofe議員(共和党、オクラホマ州)及び有力委員であるBarbara Boxer議員(民主党、カリフォルニア州)により支持され、長い期間にわたり協議されていた案件でした。この法案に含まれている新たな文言は、化学物質、農薬、殺生物剤、化粧品やその他の有害物質の安全性の担保のためのリスク評価における動物実験離れを加速化させることは確実です。このため、この施策が成立するように働きかけていた政策立案者の多くは今日の式典に出席し、成立を祝いました。

オバマ大統領が法案に署名したことにより、21世紀の科学を受け入れ、コストが高く、実施に時間がかかり、ヒトへの影響の予測力が低いことが多い、時代遅れの動物実験からの移行に引き続き取り組むように、環境保護庁に対して議会から明確な命令が出たことになります。最近、環境保護庁が、農薬の有害性評価について大幅に動物実験を削減し、現在内分泌物のスクリーニングプログラムにおいても動物実験を代替できるように取り組んでいるという記事を書きました。また、2016年には、環境保護庁は、農薬の製剤に対する経皮急性毒性試験を免除する提案を公表しました。

このような動きがグローバルであることは確実で、第一線における進展は様々な地域で起こっています。2013年に欧州連合が化粧品の動物実験の実施と動物実験された化粧品の商取引を禁止し、その次の年にインドが後に続きました。最近では、さらにオーストラリアが後に続くことを表明しました。アメリカを含む34か国の加盟国から構成される経済協力開発機構(OECD)は、安全性評価において最新かつ最良の技術やアプローチを使うという概念を採用し、国際舞台において動物実験からの移行を促進させることに取り組んでいます。

長い間、動物実験がリスク評価の一部となっていたその他の領域においても進展があります。2012年には、ヒューメイン・ソサイエティー・インターナショナル(HSI)のヨーロッパチームが、最大5割近く動物実験を削減できるように、農薬と殺生物剤のリスク評価における試験要件を改正するための働きかけに成功しました。また、ブラジル、カナダ、EU及びインドにおいて、働きかけにより、一年間の犬を用いた毒性試験の要件削除に成功しました(アメリカでは、この要件は2007年に削除されています)。

ここ一年間、HSIEUに対して、化学物質を規制する法令において、皮膚刺激性、眼刺激性、皮膚アレルギー、経皮急性毒性などの試験における動物実験代替法の採用と、生殖毒性試験における動物実験の削減を求めて働きかけていました。これにより、これらの苦痛を伴う試験から2600万匹もの動物を救うことができるとされています。また、これに関連して、インドの保健省は、医薬品を新たに輸入する際の重複した動物実験を禁止しました。

全体的に、倫理上の懸念から動物実験を廃止・削減しようする動きと、より良い選択肢を増やす新たな技術の活用が、安全性試験や医薬品の評価の領域において新たなパラダイムを切り開いているという流れは、世界的なものです。これが人道的な経済の営みであり、化学物質に関する新たな法令は、我々が目指す変化にとって大きな進展です。様々な目的のために動物に毒物を与えるという長い間使われてきた方法は、徐々に時代遅れになってきており、より良い結果を得られ、動物も犠牲にしない、ヒト生物学を基盤とした方法にとって代わられるでしょう。

#BeCrueltyFreeキャンペーンに続く、連邦政府の宣言で、化粧品の動物実験を終わらせる世界的な動きにオーストラリアも参入

ヒューメイン・ソサイエティー・インターナショナル


  • #BeCrueltyFree オーストラリアのHannah Stuart が、保健補佐大臣のKen WyattとJason Wood議員と、禁止を宣言する様子。HRA

Humane Research Australia とヒューメイン・ソサイエティー・インターナショナル(Humane Society International, HSI) (グローバル)の#BeCrueltyFreeキャンペーンの2年間のキャンペーンの後、連邦政府は本日、来年の7月までに化粧品の動物実験をオーストラリアで禁止することを宣言した。動物福祉のキャンペーン関係者は、連立政権が、オーストラリア国内の化粧品の原料の動物実験の実施とオーストラリア国外で動物実験が実施された化粧品とその原料の販売を禁止するという、保健補佐大臣のKey Wyattとラトローブ選挙区選出のJason Wood 議員の宣言を歓迎した。

#BeCrueltyFreeオーストラリアキャンペーンのHannah Stuartは、次のように述べている。「毛髪染料やスキンクリーム等の化粧品の新規原料のための残酷な試験に生きた動物を使うということは倫理に反することなので、近年、元老院と代議院双方で可決された動議に続き、政府が、化粧品の動物実験を禁止する具体的な法令を約束したことをとても嬉しく思います。新たに動物実験された美容製品やその原料の販売を終わらせる動きが世界的に広がりを見せており、今回の宣言により、残酷な化粧品の動物実験に対して『NO』と宣言する次の国としてオーストラリアが地図に載ることになるでしょう。」

「我々の#BeCrueltyFreeオーストラリアキャンペーンは、化粧品の動物実験の実施と新たに動物実験された化粧品とその原料の販売両方を禁止し、オーストラリア国民の意向を反映し、国際社会の前例と足並みを揃える形の意義のある法令を作るために、政府と全ての政党と協働することを楽しみにしています。」

「販売が法的に禁止されないと、オーストラリアや国外で、オーストラリア国内の店舗で販売される製品の開発時に化粧品の動物実験が行われることを防ぐ手立てがありません。このような禁止はすでに欧州連合(EU)、イスラエル、及びインドで実現しており、現在、残酷な動物実験が実施された化粧品の商取引を終わらせる動きの機運が世界的に高まっています。このような法的禁止をオーストラリアでも成立させれば、動物にも、消費者にも、科学にも良い影響があると考えており、オーストラリア国民の圧倒的過半数が賛成しています。」

オーストラリア国民は、BeCrueltyFree.org.auにアクセスし、オーストラリアにおける化粧品の動物実験の実施と国外で新たに動物実験された化粧品の販売の禁止に対する賛成の声を上げることにより、#BeCrueltyFreeオーストラリアへの支援を表明することができる。

化粧品の動物実験に関する概要:

·         化粧品の動物実験に最も頻繁に使われている動物は、ウサギ、モルモット、マウスやラットである。これらの動物は、化粧品に使われる化学物質を大量に、時には致死量に至るまで、点眼されたり、毛を剃った皮膚に塗布されたり、強制的に喉に流し込まれたりする。

·         Humane Research Australia に委託され、Nexus Research20135月に実施した意識調査によると、オーストラリア国民の圧倒的過半数(85パーセント)が、化粧品の開発に動物を使うことに反対している。

·         オーストラリアで人気のあるLUSH Natures Organics MooGoo Australisや、Choose Cruelty Free (CCF)リストに記載されているその他のブランドを含む500以上の美容製品のブランドが世界的にcruelty-free(動物実験フリー)と認定されている。

·         これらのcruelty-freeな企業は、動物実験を実施しないと宣言しているが、安全で素晴らしい新製品を製造し続けている。化粧品への利用について長年の実績がある原料を使うことと、より迅速かつ低コストで、ヒトへの影響をより適切に評価できる最新の動物を使わない試験を組み合わせて、これを実現しているのである。

·         グローバルなキャンペーンである#BeCrueltyFreeキャンペーンは、2012年に開始され、化粧品の動物実験の実施または動物実験が実施された化粧品の商取引の禁止、もしくはその両方の禁止は、現在、欧州連合(EU)、イスラエル、ノルウェー、インド、ニュージーランド及びトルコで実現している。また、同様の法案がアメリカ、ブラジル、カナダ、台湾、アルゼンチン、ロシアで審議されており、韓国や中国でもいくつかの動物実験の要件の削除が審議されている。

 

問い合わせ:

#BeCrueltyFreeオーストラリア: Hannah Stuart, hannahstuart@humaneresearch.org.au, (03) 9418 3988

HSI: Raúl Arce-Contreras, rcontreras@humanesociety.org, 301-721-6440

立法院での最終投票、来月の見込み

ヒューメイン・ソサイエティー・インターナショナル


  • 法案が衛生環境及社会福利委員会において審議されている様子。台湾動物虐待防止協会

台北 化粧品とその原料の双方の動物実験を禁止する法案が台湾の衛生環境及社会福利委員会を通過した。王育敏議員と莊瑞雄議員により提出されたこの法案は、これから立法院全体で審議され、今会期が終了する6月前に最終投票が行われる見込みである。委員会の審議においては、洪慈庸委員、李秀委員、鍾孔炤委員、陳曼麗委員、劉建國委員、蔣萬安委員、楊曜委員及び林淑芬委員全員がこの法案に賛同した。

台湾動物虐待防止協会とヒューメイン・ソサイエティー・インターナショナル(Humane Society International, HSI) が展開している#BeCrueltyFree台湾のキャンペーンは、委員会による法案の承認を、台湾において残酷な化粧品の動物実験を終わらせるための重要な節目として歓迎した。

提出された法案は、台湾の化粧品衛生管理条例(Control for Cosmetic Hygiene Act) を改正するものであり、歴史上最大規模の化粧品の動物実験を終わらせるための世界的キャンペーンである、#BeCrueltyFreeの一環として取り組まれた。台湾動物虐待防止協会が委託し、最近実施された意識調査によると、台湾の消費者の69.2%が化粧品の動物実験の禁止を支持しており、76.5%が美しさのために動物を犠牲にしてはならないと考えていることが明らかになった。

台湾動物虐待防止協会の#BeCrueltyFree台湾キャンペーンのコーディネーターであるJoy Liouは次のように述べている。 #BeCrueltyFree台湾キャンペーンは、委員会が台湾における化粧品の動物実験を終わらせる時が来たことに賛同してくれたことを嬉しく思います。化粧品の動物実験は、動物に苦痛を与えるだけではなく、ヒトに対する安全性を担保できる信頼性があることが証明された試験結果が得られる方法ではなく、また現代科学を象徴するものでもありません。化粧品とその原料の残酷な動物実験をすでに禁止している進歩的な国の数は増加しており、台湾がこれらの国の仲間入りを果たせるように、政策立案者が早急にこの法案を可決してくれることを願います。」

ロンドン勤務のHSI#BeCrueltyFreeキャンペーンのディレクターであるクレア・マンスフィールドは次のように述べている。 「この法案を可決することにより、台湾は、化粧品の動物実験により作り出されている動物に対する不必要な苦痛を終わらせるための運動である#BeCrueltyFreeへの仲間入りを正式に果たします。台湾において化粧品の動物実験の実施を禁止することが、完全にこの習慣を禁止することへの第一歩となります。しかし、今回の改正法案には、台湾域外で動物実験が実施された製品の販売禁止が含まれていません。政府の次の一歩が、台湾以外の場所で新たに動物実験が実施された化粧品とその原料の販売の禁止であることを願っています。」

法案の可決により、台湾は、すでに#BeCrueltyFreeの運動に加わっている170億人以上の消費者が暮らす30か国以上の国々と足並みを揃えることになる。世界最大の化粧品市場であるEUや、ノルウェー、イスラエル、インド、ニュージーランド、韓国、トルコ、そしてブラジルの州いくつかにおいて、化粧品とその原料の動物実験を完全にまたは一部禁止する法律が成立している。現在、同様の法律がアメリカ、カナダ、ブラジル、オーストラリア、アルゼンチン等の地域において、各国で取り組みを行っている#BeCrueltyFreeのリーダーシップのもと検討されている。

消費者は、法案と、台湾における残酷な化粧品の動物実験を完全に終わらせることに対する支持を表明するために、http://goo.gl/ftNM7N から誓約に署名することができる。

注釈: 意識調査は、全国規模でTrend Survey and Research Co. により20154月に実施され、サンプル数は1073名、信頼水準は95%であった(誤差の許容範囲+-3%)

以上

問い合わせ

台湾: joy.liou@spca.org.tw +886 2 2367-0317

日本:東さちこ、+81-(0)70-5569-7689; sazuma@hsi.org (日本語対応のみ)

山﨑佐季子、syamazaki@hsi.org

 

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