動物との共生を考える連絡会とヒューメイン・ソサイエティー・インターナショナルがすべての動物をより確実に守る法律に向けた市民フォーラムを開催

ヒューメイン・ソサイエティー・インターナショナル


  • HSI

動物との共生を考える連絡会とヒューメイン・ソサイエティー・インターナショナル(Humane Society International, HSI)が、動物の愛護及び管理に関する法律(以下、動物愛護法)の改正の機運を高めるために市民フォーラムを開催した。フォーラムでは、動物愛護法を、愛護精神を推進するための理念法として捉えるのではなく、より具体性を持った動物を守る手段となる部分を強化する必要性が語られた。そのためにはどの様な課題があるかなどに関する議論が展開された。また、実験動物や畜産動物など、ペット以外の動物に関する動向と課題について取り上げ、2020年の東京オリンピックに向けて、あらゆる動物を守る具体的な法律として機能するような動物愛護法の必要性が提言された。

動物との共生を考える連絡会とHSIは、動物愛護法改正に向けて、所轄省庁や国会議員に対して共同で働きかけを行うと同時に一般社会の全体的な意識の向上に努めており、フォーラムはその一環として開催された。 当日は、動物保護団体の関係者をはじめ、動物愛護法改正に関心のある多くの市民が参加し、50名ほどの参加者で会場がにぎわった。

動物愛護法改正に向けて、この法律は、人間の財産を守り愛護精神を社会に根付かせるためのものであり、動物を守るための法律ではないという議論が出てきており、この解釈が根付いてしまうと、日本は先進国の中、唯一動物を保護する法律がない国ということになってしまう。このような中、本フォーラムでは、動物愛護法が具体的に動物を守れるような法律として機能するためには何が必要か、現行法の課題について法律の専門家である浅野明子弁護士が解説した。

またフォーラムでは、畜産動物と実験動物に関するそれぞれの課題が取り上げられた。実験動物については、近年動物実験から動物を用いない最新の代替法への移行が進められており、本フォーラムでは代替法の最新動向について取り上げた。ヒト生物学を基盤とした代替法に移行することは、犠牲になる実験動物を減らすことができるだけではなく、よりヒトへの安全性が高い商品開発につながるのである。動物との共生を考える連絡会とHSIは、日本の実験施設における動物の境遇を改善するため、動物愛護法の実験動物にかかわる条項の強化に向けて協力体制を築いている。

畜産動物についても、動物の福祉を保障した生産体制について日本における取り組みが紹介された。畜産動物の福祉を向上させることも、動物のためだけではなく、公衆衛生、食品の安心・安全及び畜産の経済にとってもプラスとなり、人間の生活の質の向上につながる。

動物との共生を考える連絡会の青木貢一代表は次のように述べている。「動物愛護法改正の法案がもうすぐ提出される見通しですが、この改正によって、法律があらゆる動物を守るための具体性をもった内容に少しでも舵を切ることができることを願っています。このフォーラムが、改正に向けた一般市民の意識向上と機運醸成に貢献できたことを期待します。」

HSI研究毒性学部門副部長のトロイ・サイドルは次のように述べている。「世界中、多くの国が、動物を守ることを目的とした包括的な動物福祉の規制を設けており、動物愛護法が最初に制定された時期から、世界各国の動物福祉の規制には大きな進展がありました。例えば、実験動物ひとつとっても、現在37の市場で化粧品の動物実験の実施や動物実験された化粧品の商取引が禁止され、アメリカ、カナダ、オーストラリア、ブラジル、チリ、スリランカや南アフリカなどでもこのような法案が検討されています。これらの規制は、ヒト生物学を基盤とした動物を用いない代替法に移行する原動力となっているのです。日本の当局もこのような世界の規制の流れに乗ってくださることを期待します。」

以上

問い合わせ:

HSI (日本): 山﨑佐季子, syamazaki@hsi.org (日本語・英語対応可)

動物との共生を考える連絡会: 青木貢一 info.dokyoren@gmail.com

ヒューメイン・ソサイエティー・インターナショナル(Humane Society International, HSI) 及びそのパートナー団体は、世界最大級の動物保護団体です。HSI は 25 年以上にわたり、科学、アドボカシ―、教育及び実践プログラムを通して全ての動物の保護に取り組んできました。「世界中の動物に畏敬の念を示し、動物虐待に立ち向かう」ウェブサイ ト― hsi.org/

動物との共生を考える連絡会は、「人と動物が共に幸せに暮らせる社会づくりを目指す」という趣旨に賛同した団体・法人・個人の連合体であり、「動物の愛護および管理に関する法律」を国民に周知し、同時にこの法律をより良いものに改正するために、管轄官庁や行政自治体、国会議員などへのロビー活動などを行う連合体です。ウェブサイト – https://www.dokyoren.com/

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