台湾で化粧品の動物実験に終止符を打つ法案、鍵となる委員会を通過

立法院での最終投票、来月の見込み

ヒューメイン・ソサイエティー・インターナショナル


  • 法案が衛生環境及社会福利委員会において審議されている様子。台湾動物虐待防止協会

台北 化粧品とその原料の双方の動物実験を禁止する法案が台湾の衛生環境及社会福利委員会を通過した。王育敏議員と莊瑞雄議員により提出されたこの法案は、これから立法院全体で審議され、今会期が終了する6月前に最終投票が行われる見込みである。委員会の審議においては、洪慈庸委員、李秀委員、鍾孔炤委員、陳曼麗委員、劉建國委員、蔣萬安委員、楊曜委員及び林淑芬委員全員がこの法案に賛同した。

台湾動物虐待防止協会とヒューメイン・ソサイエティー・インターナショナル(Humane Society International, HSI) が展開している#BeCrueltyFree台湾のキャンペーンは、委員会による法案の承認を、台湾において残酷な化粧品の動物実験を終わらせるための重要な節目として歓迎した。

提出された法案は、台湾の化粧品衛生管理条例(Control for Cosmetic Hygiene Act) を改正するものであり、歴史上最大規模の化粧品の動物実験を終わらせるための世界的キャンペーンである、#BeCrueltyFreeの一環として取り組まれた。台湾動物虐待防止協会が委託し、最近実施された意識調査によると、台湾の消費者の69.2%が化粧品の動物実験の禁止を支持しており、76.5%が美しさのために動物を犠牲にしてはならないと考えていることが明らかになった。

台湾動物虐待防止協会の#BeCrueltyFree台湾キャンペーンのコーディネーターであるJoy Liouは次のように述べている。 #BeCrueltyFree台湾キャンペーンは、委員会が台湾における化粧品の動物実験を終わらせる時が来たことに賛同してくれたことを嬉しく思います。化粧品の動物実験は、動物に苦痛を与えるだけではなく、ヒトに対する安全性を担保できる信頼性があることが証明された試験結果が得られる方法ではなく、また現代科学を象徴するものでもありません。化粧品とその原料の残酷な動物実験をすでに禁止している進歩的な国の数は増加しており、台湾がこれらの国の仲間入りを果たせるように、政策立案者が早急にこの法案を可決してくれることを願います。」

ロンドン勤務のHSI#BeCrueltyFreeキャンペーンのディレクターであるクレア・マンスフィールドは次のように述べている。 「この法案を可決することにより、台湾は、化粧品の動物実験により作り出されている動物に対する不必要な苦痛を終わらせるための運動である#BeCrueltyFreeへの仲間入りを正式に果たします。台湾において化粧品の動物実験の実施を禁止することが、完全にこの習慣を禁止することへの第一歩となります。しかし、今回の改正法案には、台湾域外で動物実験が実施された製品の販売禁止が含まれていません。政府の次の一歩が、台湾以外の場所で新たに動物実験が実施された化粧品とその原料の販売の禁止であることを願っています。」

法案の可決により、台湾は、すでに#BeCrueltyFreeの運動に加わっている170億人以上の消費者が暮らす30か国以上の国々と足並みを揃えることになる。世界最大の化粧品市場であるEUや、ノルウェー、イスラエル、インド、ニュージーランド、韓国、トルコ、そしてブラジルの州いくつかにおいて、化粧品とその原料の動物実験を完全にまたは一部禁止する法律が成立している。現在、同様の法律がアメリカ、カナダ、ブラジル、オーストラリア、アルゼンチン等の地域において、各国で取り組みを行っている#BeCrueltyFreeのリーダーシップのもと検討されている。

消費者は、法案と、台湾における残酷な化粧品の動物実験を完全に終わらせることに対する支持を表明するために、http://goo.gl/ftNM7N から誓約に署名することができる。

注釈: 意識調査は、全国規模でTrend Survey and Research Co. により20154月に実施され、サンプル数は1073名、信頼水準は95%であった(誤差の許容範囲+-3%)

以上

問い合わせ

台湾: joy.liou@spca.org.tw +886 2 2367-0317

日本:東さちこ、+81-(0)70-5569-7689; sazuma@hsi.org (日本語対応のみ)

山﨑佐季子、syamazaki@hsi.org

 

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